熊野川サツキマスと②(倉本啓二)

サツキマス

海に降ったアマゴがサツキマスへと姿を変え、生まれた川へ戻ってくる。

海へ行ったとはいえ、習性はやはりアマゴそのもので、大きな石の裏にできる水流の変化であったり、川の流れがぶつかって生まれるヨレであったりにつくことが多い気がします。またアマゴよりも深いポイントが好きなのか、そういうポイントでのヒットが多いように思います。

その半面、日中でもひざ下くらいの水深でヒットしたり、夕方には岸寄りの浅場で何もせずにステイしていることを目撃したこともあります。またウェーディングして川を横切っている自分の2mほど前で猛烈な勢いでアユを追いかけているところに遭遇したり、浅いチャラ瀬の中で背びれを出しながらルアーにアタックしてくるところを見たりと、非常に謎多き魚ではないでしょうか。

早朝、日中、夕まずめと居場所を考えアプローチしていく。少しでもフィーディングテンションの上がった魚を狙っていく。攻めの釣りを展開しないと出会うチャンスも少なくなる。

読み通りに、そして運がよくノボリの着き場にエントリーできたとしても、ルアーの後ろをゆっくりとチェイスしてくるだけのことはもちろん、手を出せばつかめそうな近距離まで猛スピードで追いかけてくるも食わしきれずにそのままUターンしていくことも多く、本当に思い通りにいかない釣りではないでしょうか。

通い続けて35年、今になってようやく水量、水温、気温、餌となる稚鮎の居場所など、いろんなファクターを考えることで、中学生のころは幻だった憧れの魚にまだまだ少しずつですが、出逢う確率が上がっているように思います。

そしてこれまでの経験を全てフィードバックして、新しい時代のノボリのタックルを真剣に考えて、manomaブランドでは、アングラーの皆様にご提案できれば幸いかと思っております。

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