約40年のノウハウを凝縮
マノマルアービルダーの谷野一昭は、1980年代からハンドメイドでミノーを削っている。当時、納得のいくトラウトルアーが市販されていない中、海外ブランドのミノーを参考に作ってはテストし、自身のブランド「キャンディーミノー」を生み出した。最初の作品の完成から年月が経ち、現在ではようやく自身の釣りにマッチしたフォルム、ウエイト、アクションに近づいている。あくまで「最終形」というものではなく、近年でも毎年同じものは作らず、常に「未完成」のまま、ミノーのあらゆる可能性を模索し、引き出している。

谷野の工房に掲げられた歴史を感じさせる看板
マノマとキャンディーミノーとの出会い
谷野の作るキャンディーミノーは、特に全国のサクラマス、サツキマスアングラーからの評価が高く、マノマ代表の倉本啓二も、その魅力にひかれたアングラーの一人だった。熊野川のサツキマスへの強い思いでマノマブランドを立ち上げる際、倉本はまず谷野に声を掛け、ルアーデザインを依頼した。谷野は、倉本の熱い想いを受け、自身のキャンディーミノーをベースにマノマのオリジナルのミノーを作ることで意思が一致した。

一本一本、一切妥協をしないで作る谷野。このコンセプトがマノマのルアーの根底にある
谷野のこだわり
谷野がデザインするマノマのルアーは、ハードウッド、バルサ材など、すべてウッド素材を採用する予定だ。これは谷野のトラウトだけでなく自然への想いが凝縮されているからである。地元広島で聖鱒(ヒジリマス)の魅力発信・保護活動に取り組んでいる谷野は、地球環境への意識も高く、いずれは野に返る木材をルアーの素材とすることで、根掛かりした時の環境汚染を最小限に抑えたいと考えている。特にトラウトフィッシングに関しては、河川の上流部がステージになることが多い。そのため、すべての生命の源ともいえる水源地を汚すことは、できるだけ避けたいという想いから自然に近い素材を使用しているのだ。

木の材質はいずれは自然に返る
今後の展開
2022年5月現在、谷野のデザインを手掛けるオリジナルルアーは、本流用だけでなく支流用も予定している。カラーバリエーションも現在試案中だ。

元々ナチュラル系が多かったがアピール系も試作中
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