ゴギとサツキマスとキャンプ・後編(ひろ)

サツキマス

さて、前回の続きです。泥のように眠った後、朝5時に起床。

寒い。寒すぎる。なんなんここ? 日本? 南国である和歌山県民には耐えられない寒さで、できることなら日が昇るまでシュラフの中で過ごしたいのですが、聖鱒を釣るためにはそうもいきません。

意を決して着替え、ウェーダーを履き出陣です。ちなみにこの日は谷野さんは仕事で来ることができません。ビギナー2人での手探り釣行です。

最初に向かったのはインレットがらみのエリア。丁寧に釣り登って行ったのですが魚からの反応はありません。

その後、実績場所と聞いていたところに移動し、さらにそこから二手に分かれました。アッキーは水深のある方に、私はシャローエリアに向かいます。相も変わらず私はノーバイトで、チェイスすらありません。しかし10分ほど経過したころ、遠くから何やらアッキーの叫び声が聞こえます。

振り返るとランディングネットに魚を入れたアッキーの姿が遠くに見えました。

「またフナ!?」と思ったのですが、叫び声をよく聞くと

「ひろさーん、写真撮ってください」と言ってます。まさかフナのブツ持ち写真を撮れというのか!?

とりあえず急いで戻ると、なんとなくマスっぽい魚影が見えてきました。

ま、まさか釣ったのか???

そのまさかでした。アッキーが手にしていたのは40.5cmのサツキマス、いわゆる聖鱒でした。

オッサン2人で「うぉぉぉぉぉー!!!」と大盛り上がり。がっちりと握手。きしょいので、さすがにハグまではいきませんでしたが、なんせ大喜び。これこれ! 釣りという素晴らしい趣味の醍醐味は、この瞬間を味わえるということなのですよ!

実はアッキー、以前初めてギガアジ(40cm以上のアジ)を釣った時にも「写真撮ってください~」と叫んで、「いや、まず釣れました~!やろ」とツッコミ入れたことがありまして、今回もまさにその再現でした(笑)。

なんせよかった。この魚のために寝ずに車を走らせて来たんだからねー。

アッキー、ほんまおめでとう!

その後、いったんキャンプ場に戻って朝食をとることに。私がスープパスタを作り、アッキーがコーヒーをたててくれました。彼はコーヒーにも詳しいのですよ。

勝者の一杯。心に沁みます。いいね、こういうの!

◇          ◇

一息ついて、次は渓に入ってもう一つのターゲットであるゴギを狙うことに。ゴギについては私も過去に何度かトライしている魚なので、実績のあるポイントに行くことにしました。幸いキャンプ場からさほど遠くない場所があったので、そこに向かうことに。

車を止めるスペースにはすでにアングラーさんらしき車が止まってました。後追いになりますが、ちょっと下流側に入ってみて、先行されてなかったらラッキーくらいの感覚でのチャレンジです。

少し歩いて、ここから入れそうという所から入渓。私は過去にゴギは釣っているので、本来であれば、ゴギ童貞であるアッキーにまず1匹釣ってもらってから、私が投げるというのがポリシーなんですが、

「なぁなぁ、アッキーは聖鱒釣ったねんから、ゴギはワイが先に釣らせてもらうで…。そら当然のことよな…」

と、何とも大人げない心の狭さを露呈させます。アッキーは「も、もちろんです」と、私のプレッシャーに従うしかありません。

そして開始直後、Rafter410-弥山-はピンキャスが決まりやすいので、狙いの小場所に入れた途端にヒット! しかしフッキングが甘くてバラしてしまいました。

その後、チェイスはあってもヒットまで持ち込めず。ヒットさせてもバラすなど、無駄に時間だけが経過していきます。後ろを振り返ると、「待て!」とお預けを食らった犬みたいな顔をしているアッキーがこちらを向いていて、さすがの私も「これはまずい…」と焦りを感じてきました。

そして、大き目の淵があり、そこでようやく猛チェイスからヒットし、無事にゲット!

今回の旅のもう一つの目標であるゴギ。小さいですが独特の模様がなんやら爬虫類っぽくて大好きな魚です。

その後はお互い釣っては交代を繰り返し、2人ともたくさんのゴギに出会うことができました。

先行者さんはもっと上流に入ったのでしょうね。助かりました。

この渓は広葉樹が広がるエリア。数年前に来たときと渓相もほぼ変わらず、豊かな水量も魚影もそのまま。釣りをしていて気持ちいい渓でした。

◇          ◇

その後、いったんキャンプ場に戻り、めちゃくちゃ遅めのお昼ご飯にします(たぶん15時回ってましたね…。渓が楽しすぎて)。

少し休んで夕マズメは暗くなるまでみっちりと聖鱒狙いです!

「アッキーはもう聖鱒釣ったから実績場を譲ってもらうで!」

という老害丸出しの私の発言と共に、午前中にアッキーが釣ったポイントを独占して2匹目のどじょうならぬ聖鱒を狙いましたが安定のノーフィッシュ。強情者の末路はこんなもんです。負のオーラに巻き込まれたアッキーもノーバイト。ちーん。

この日に勝負がついていたら、夜に帰路につくというプランもありましたが、とりあえずテン場に戻り、一息つくことに。

焚き火にあたり、まったりとして満天の星空を見て、素晴らしい魚に出会うことができた1日の釣行を振り返りながら話し込んでいたら、なんだかこの時間がとても尊く、もったいない気がしてもう少し過ごすことにしました。

翌朝も聖鱒チャレンジしましたが、結果としては、2匹目の聖鱒を拝むことはできませんでした。

広島市内に戻り、谷野さんにシュラフをお返しし、ここがおいしいと教えてくれたお好み焼き屋さんでランチ。

地元の人は取り皿とかお箸を使わず、鉄板から直接コテを使って食べるんやで!とか知ったかぶりして、そうしてましたけど、そんなことしてるのは自分たちだけで、他のお客さんは普通にお皿にお箸で食べてました。これホンマはどっちが正しいの!? 教えて広島の人!

◇          ◇

今回の旅、聖鱒、ゴギとも顔を見ることができて眼福でした。本当によかったと思います。私自身は聖鱒を釣り上げることはできませんでしたが、

私はマノマRafter渓流部のスタッフなので、サツキマスじゃなくてゴギが釣れればいいんですよ!!!!!

と負け惜しみをぶちまけて今回は終わらせていただきたいと思います。

谷野さん、本当にありがとうございました。私は渓流タックル担当ですが、また来年も聖鱒にチャレンジしていいかなと思います。…いや、チャレンジさせてください! お願いします!

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