メッコ岩魚とフックの関係(ひろ)

渓流

名著『釣りキチ三平』に「メッコ岩魚の怪」という話があります。

なぜか片目(メッコ)のイワナだけが釣れる不思議な渓谷で、この地には、片目の侍の悲しい伝説があったのですが、ネタバレとしましては、その渓にあるウラン鉱石から出る放射能によって片目になってしまっていたという話でした。

子どもながらなかなかの衝撃を受けた話でした。ひろですこんにちは。

さてなんでそんな話からスタートしたかというと、先日ホームの渓に行ったときに片目のイワナが釣れたからです。

もちろん、ウラン鉱石などというものはなく、では一体なぜ片目になってしまったのか。可能性の一つとして考えられるのは釣り針による致傷です。

渓流ミノーイングの場合、ルアーにトレブルフックを使う人、シングルフックを使う人、バーブあり、バーブなしなど、その人のスタイルによってさまざまです。

ちなみに私のスタイルというと…

【キープ前提で放流魚・野生魚を狙う場合】

バーブあり、もしくはバーブなしのトレブルフックを使用することが多いです。やはり、まとわりついてくるような魚にはトレブルフックの方が単純に数学的(?)にシングルフックの3倍の数の針先があるので、フッキングに持ち込みやすい気がするからです。この場合、私はランディングネットを使用しません。普通に地面に抜き上げます。多少、魚に傷が付こうがキープ前提なので、構いません。

私が普段使いしているネットは、クレモナではなくマノマのラバーコーティングネットなのですが、それでも魚が暴れるとフックがネットに刺さったり絡まったりしてしまい、大幅なタイムロスにつながります。特にトラウトはネット内で回転しながら暴れるので、特にバーブありのトレブルフックでネットを使うのはフックを外すのに時間がかかり、余計にダメージを与えてしまうことにつながります。

【リリース前提で野生魚、天然魚を狙う場合】

多くの場合、バーブレスのシングルフックを使用。またはハーフバーブのシングルフックやバーブレスのトレブルフックを使うこともあります。

もちろんこの場合はラバーコーティングのランディングネットを使用します。魚が暴れても傷が付きにくく、ネットにフックが絡まってもすぐにほどけます。

◇        ◇

話はブッ飛びますが、ジグヘッドでメバルを狙っていると、ジグヘッドを飲み込んだメバルの口の中から目の奥に針先が刺さり、血で瞳孔が赤く染まってしまうことがあります。

しかしこのメバルの目の奥に刺さってしまうアクシデントは、ジグヘッドではなくトレブルフックのプラグを使うと、ほとんどありません。

◇        ◇

ここまで書いたらお分かりでしょうが、シングルフックはトレブルフックよりシャンクが長く、口の中に入りやすいため、目の奥に刺さってしまう可能性が高くなると思います。

フライだとそもそもフックが小さいのであまりこういったことはないように感じるのですが、ルアーの場合フックが大きくなるので、目の奥に刺さりがちです。特にトラウトは口が大きくて目が口から近いので、目の奥に刺さりがちです。

バーブレスのシングルフックが目の裏側から刺さったサツキマスの例(ピンボケですみません…)

当然、トレブルフックで連続トゥイッチをすると、意図的ではないものの外側から目に針が刺さってしまうことも多くあります。その場合バーブありだと、高確率で目はつぶれてしまいます。

おそらく冒頭のイワナの写真もそれが原因ではないかと推測します。

結論から言えば、トレブルフックだろうがシングルフックだろうが魚の目にダメージを与えてしまうことは十分考えられます。バーブレスのシングルフックを使ってさえいれば大丈夫という訳ではなく、むしろトラウトの「目」に関してはバーブレスのシングルフックだろうが、バーブありのトレブルフックだろうが、同じくらいの確率でダメージを与えてしまうのではないか? というのが私の印象です。

なんなら、針先の鋭いバーブなしのトレブルフックで口周りに触れた瞬間にサクッと刺さるのが一番ダメージがないのでは?と思ったりします。

過去に何度シングルフックで魚の目にダメージを与えたか、同じくトレブルフックで魚の目にダメージを与えたか、統計は取っていませんので確かなことは言えませんが、今回釣れた片目のイワナを見て、ふと思ったことを綴らせていただきました。

私のルアーケースにもいろんな種類のフックがあります

◇        ◇

渓流シーズンもいよいよ終盤ですね。

皆さま、よい締めくくりができますように。

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